眠れない夜に悩んでいませんか?そんな時におすすめなのが「認知シャッフル睡眠法」。
この方法は、考え事や不安を抱えたまま眠れない夜に、脳をリラックスさせて自然に眠りに導く手法として注目されています。無関係な単語やイメージを頭の中で次々と浮かべることで、思考の堂々巡りを防ぎ、深い眠りへと誘います。
本記事では、この「認知シャッフル睡眠法」の具体的なやり方に加え、効果を高めるためのコツや、睡眠の質を向上させるメリットを詳しく解説します。
認知シャッフル睡眠法の効果は?
認知シャッフル睡眠法(Cognitive Shuffle Sleep Technique)は、カナダの認知科学者ルック・ボードワン(Luc P. Beaudoin)博士によって2014年に考案されました。
心の中でランダムなイメージを生成することで、頭の中の思考を混乱させてシャットダウンし、睡眠の質を向上させる効果的な方法の1つです。
日本ではまだそこまで知名度が高くありませんが、漫画家の川尻こだま氏や2ch開設者のひろゆき氏が紹介したことで、近年、インターネット上を中心に注目を集めるようになりました。
ボードワン博士によると、言語や思考を司る脳の領域である脳皮質が活動している間、人の無意識は「眠るべきでない!」と判断するそうです。
たとえば、
「来週、仕事で使う資料をまとめておかなくちゃ」
「なんであのとき、あの人にあんな酷いこと言っちゃったんだろう…」
「あれ?家の鍵、帰ってからいつもの場所にちゃんとしまったっけ?」
こんな調子で寝る前に思考が頭の中でぐるぐる巡って、寝る予定だったのに目が冴えてきてしまったなんて経験、あなたもあるのではないでしょうか?
これこそ、まさに論理的な思考をすることで脳皮質が活性化されている状態。
この活動が抑制されるので眠りに入ると言われています。認知シャッフル睡眠法は、脈絡のない単語や映像を頭に浮かべることで、脳皮質の活動を抑え、眠りを導きます。
日々の緊張やストレスで眠りにくい人や、寝る前に悩みごとを考えがちな人に特に効果的です。
ボードワン博士の指示に従い、寝つきが悪くて言う大学生154名(女性137名)に認知シャッフル睡眠法を実施したところ、寝つきの悪さや中途覚醒が減少したことが報じられています。
日常生活でのストレスや悩みが頭の中でくるくるとリフレインしてしまうことが、睡眠の質を下げる要因と言われていて、その思考の無限ループをシャットダウンすることで、深い眠りにつくことが期待できるんですね。
認知シャッフル睡眠法は、過去のエビデンスや利用者の体験談などからもその効果が支持されています。睡眠の質を向上させたい方にとって、1つの試みとして取り入れてみる価値はあるでしょう。
認知シャッフル睡眠法のやり方を解説!
認知シャッフル睡眠法は、睡眠障害や不眠症に悩む人々にとって効果的な手法です。この方法を実践することで、心の中の不安や落ち着かない気持ちを整理し、自然な眠りに導くことができます。
具体的な手順としては下記のとおり。
1. リラックスする
ベッドに横になり、ゆっくりと深呼吸を3回ほどします。体の力を抜いてリラックスし、眠りやすい姿勢を取ります。焦らず、ただリラックスすることを意識しましょう。
2. 最初の単語を選ぶ
ここでは「りんご」という単語を選びます。簡単な単語でOKですし、イメージしやすいものであれば何でも大丈夫です。
3. 「りんご」に関連するイメージを思い浮かべる
まずは「りんご」を思い浮かべます。赤いりんごのイメージや、果物としてのりんごが木になっているイメージでもOKです。数秒そのイメージを思い浮かべたら、次に進みます。
4. 次にランダムな単語とイメージを思い浮かべる
「りんご」の次に、何か別の単語を思い浮かべます。たとえば「犬」とします。「犬」が走っている姿や、犬が尻尾を振っているイメージを頭の中で描きます。このイメージも数秒間で大丈夫です。
5. さらにランダムな単語に切り替える
ここでポイントは、 連想せずに無関係な単語をどんどん思い浮かべることです。りんご、犬、リボン、船など、全く関連のない単語であれば何でも構いません。
6. 違う単語にどんどん切り替える
「船」の後は「本」、「山」、「時計」など、何でもランダムに思い浮かべます。例えば次は「山」を思い浮かべて、山の頂上や森林の風景を軽く頭に描きます。
7. 眠くなるまで続ける
このように、ランダムな単語とイメージを次々と切り替えていきます。深く考えず、頭の中で思い浮かべては切り替えるというリズムで続けます。自然と眠気が訪れるまで続けていきましょう。
たとえばこんな感じです。
•りんご → 赤いりんごが木になっているのを思い浮かべる
•犬 → 犬が公園で走っているのを思い浮かべる
•リボン → 風になびくリボンを思い浮かべる
•船 → 海の上を進む船を思い浮かべる
•本 → 読書をしている本のイメージを思い浮かべる
•山 → 山の頂上の景色を思い浮かべる
•時計 → 壁にかかった時計を思い浮かべる・・・
このようにランダムに単語を切り替えていくことで、脳がリラックスし、考え事を手放しやすくなります。自分で思いつく限りの単語を使って試してみてください。
認知シャッフル睡眠法の効果を最大化するコツとは?
認知シャッフル睡眠法を効果的に活用するためには、以下のポイントに注意することが重要です。
就寝前のリラックス
就寝前はリラックスすることが重要です。ストレスや興奮を抑えるために、お風呂に入る、ストレッチをする、リラックスした音楽を聞くなどの習慣を取り入れましょう。
ベッドルームの環境
眠りやすい環境を整えることも大切です。暗い、静かな部屋にすることや、快適な寝具で眠ることが睡眠の質を高めます。
※私は市田商店さんのを「ぴろま」を枕にスプレーしてから寝ることが多いです。
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1日のリズムを整える
規則正しい生活リズムを整えることも効果的です。同じ時間に起床し、就寝することで体内時計を整えることができます。
効果的な認知シャッフル睡眠法の実践には、リラックスした状態での就寝、快適な寝具、規則正しい生活リズムの整え、そしてシャッフルの練習の継続が重要です。
これらの要素が揃うことで、心身ともに準備が整い、効果的に認知シャッフル睡眠法を行うことが可能となります。睡眠の質を高めるためには、これらのポイントを守ることが必要不可欠です。
たとえば、リラックスした状態で就寝することで、体が自然に眠るリズムに入りやすくなります。また、シャッフルの練習を継続することで、睡眠前の不安や悩みを解消し、リラックスした状態で眠ることができます。
以上のポイントを意識して、効果的な認知シャッフル睡眠法を実践していきましょう。
認知シャッフル睡眠法の依存性について
認知シャッフル睡眠法は、睡眠障害や不眠症に悩む人々にとって有効な方法として注目されています。しかし、この方法には依存性があるという指摘もあります。
認知シャッフル睡眠法には、依存性があると言われていますが、適切に使うことでそのリスクを避けることができます。
特定の手法やプロセスに頼りすぎてしまい、その手段がなければ眠れなくなる可能性があります。また、一度成功したケースでその手法に頼る傾向が高まり、自然な眠りへの依存が生じることもあります。
ネット上のフォーラムなどでは、認知シャッフル睡眠法を継続して行うことで、徐々にその方法に依存してしまうケースがいくつか報告されています。
何かしらのトリガーがないと眠れない状況になってしまうことがあり、これが依存性の兆候とされています。
認知シャッフル睡眠法は個々の状況や体質によって効果や影響が異なるため、依存性が生じない場合もあります。また、適切な指導のもとで実践することで、依存性を回避することができるでしょう。
認知シャッフル睡眠法を使う際には、依存性のリスクに注意し、適度な使用を心がけることが重要です。睡眠の質を向上させるために、睡眠環境の整備や生活習慣の見直しも併せて行うことが大切です。
認知シャッフル睡眠法のデメリット
習慣化に時間がかかる
認知シャッフル睡眠法を効果的に行うためには、毎晩練習を続けていく必要があります。最初の数週間は効果が感じられないかもしれませんが、続けることで徐々に眠りやすくなるという点で、すぐに効果を求める人にとってはストレスになることがあります。
効果に個人差がある
認知シャッフル睡眠法は、すべての人に同じ効果を発揮するわけではありません。特に、非常に強いストレスや深刻な不眠症に悩む人には、この方法が十分な効果をもたらさない場合があります。このため、他の睡眠改善法と併用することが必要です。
依存性のリスク
この方法に頼りすぎると、前述のように「この方法がなければ眠れない」という心理状態に陥るリスクがあります。依存性を防ぐためには、他のリラクゼーション法や生活習慣の改善を併用することが効果的です。例えば、就寝前のスマホの使用を控えたり、カフェインの摂取を減らすといった他の睡眠衛生の改善も意識しましょう。
外部環境に依存
認知シャッフル睡眠法がうまく働くには、静かでリラックスできる環境が必要です。環境が変わると、効果が薄れることがあり、特に旅行や出張時に不便を感じる場合があります。そのため、旅行先でもできる別のリラックス法を用意しておくと良いでしょう。
認知シャッフル睡眠法のメリット一覧
簡単に始められる
認知シャッフル睡眠法は、特別な道具や準備が不要で、どこでも実践できるという利点があります。基本的には自分の思考とイメージを利用するため、シンプルかつ実践しやすい方法です。
思考をコントロールする訓練になる
ランダムなイメージを頭の中に浮かべることで、不安やストレスから意識をそらす訓練にもなります。これにより、寝る直前に起こりやすい「頭の中の堂々巡り」を防ぎ、心の中でのコントロール感を取り戻すことができます。
おわりに
認知シャッフル睡眠法は、簡単に実践でき、眠りにつきやすくなる方法として多くの人に効果をもたらしています。
無関係な単語やイメージを頭に浮かべることで、不安やストレスから解放され、自然な眠気を誘導する仕組みです。特に忙しい日々を送る方や、考え事でなかなか寝付けない方には、非常におすすめです。
習慣化することで、睡眠の質が向上し、日中のパフォーマンスも向上します。ぜひ、日常生活に取り入れて、快適な睡眠を手に入れてくださいね!
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