縁起の良いものの象徴として、いつの時代も愛され続けている達磨(だるま)。
お正月や結婚式などのおめでたい日に購入したり、人から頂いたりする人も多いはずです。
「でも、、そういえば、なんでダルマに目を入れるんだろう」と気になったとはありませんか?
縁起物であるなら、期限や由来について知っている方が何だかご利益があるような気がしますしね。
今回の記事では、だるまの目入れの起源や由来、目入れのやり方や作法、そして念願が叶い両目を入れ終えただるまはどうすればいいのか?ということについて書いていきたいと思います。
だるまの目入れって起源や由来って何なの?
だるまの目の入れ方は密教の阿吽(あうん)からきているといわれています。
密教というのは、すごく簡単に言うと現世利益を体験することが出来る教えという意味です。
阿吽というのは「あうんの呼吸」の阿吽です。阿(あ)とは物事の始まりのこと。吽(うん)とは物事の終わりという意味です。
つまり、だるまの目入れが完成するときは願い事やお祈り事が叶ったたとき、ということになります。
また、阿吽の2つが揃ったときの状態は、宇宙の全てを表しているとされています。なんだかロマンチックというか、壮大ですね・・・。
だるまは祈願の際に、まず片目を入れます。これは、片目を入れることによって開眼させることを目的としています。
片目を入れて片目を開眼させ、そして願い事の成就と共に完全な開眼を迎える。物事の始まりから終わりまでを、だるまはずっと、その開かれた目で見守ってくれているんですね。
今度は、日本でのだるまの目入れの歴史を振り返ってみましょう。
江戸時代に流行した天然痘(てんねんとう)という病気が流行した当時まで由来を遡ることになります。
天然痘の神は赤い色を嫌うという言い伝えがあり、そのために天然痘の患者には赤い着物を着せたりしていたと。その際に、赤いもので縁起物であるだるまも、魔除けとして一躍人気者になったんですね。
また、天然痘にかかると視力の低下を招くことがしばしばありました。そのため縁起物であるだるまの目の描かれ方がとても重要視されたそうです。
目が上手に描かれているだるまは沢山売れますし、反対に目が上手に描かれていないだるまは売れなくなってしまったんですね。
そこで、だるまを売る商人は、だるまには目を書かず、注文が成立してはじめて目を書き入れたり、目の書き入れ自体をお客さんに任せるようになった。
これがだるまの目入れの始まりだと伝えられています。
こういう歴史を知っておくと、知らないときの何倍もだるまのことを愛おしく大切に思えそうですね!
だるまの目入れのやり方や作法ってどうやるの?
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前項に書いたとおり、だるまの目入れの習慣というのは密教の阿吽(あうん)が起源になっています。
阿(あ)とは物事の始まりのこと。吽(うん)とは物事の終わりという意味ですので、まずは始まりにあたるだるまの左目(自分から向かって右)から描き入れていきます。
そして、念願が叶い次第、今度は右目(自分から向かって左)という順番で描き入れます。これが、だるまの目入れの作法にのっとった正しいやり方です。
ちなみに、選挙で利用されるだるまは一般的に右目から入れられるようです。環境や用途によってローカルが存在するのもだるまの目入れのおもしろいところかもしれません。
とくにこだわりがない場合は、習わし通り、左目から右目の順番で目入れをしていきましょう。
念願が叶って両目の目入れが終わっただるまはどうする?
念願が叶い、両目の目入れが終わっただるま。物事の始まりから終わりまでを見守ってくれただるま。
それは愛着が湧いていると思いますが、願いが叶った後のだるまをいつまでも家の中においておくのは、良くないことのようです。
かといって燃えるゴミとして処分しては絶対にいけません。だるまを処分する際は、お寺に持って行ってお炊き上げで供養してもらいましょう。
また、だるまのご利益には有効期限があると言われています。お守りと同じですね。
だるまの有効期限は、これもお守りと同じで一年とされています。願いが叶っていないまま一年が過ぎてしまった場合は、願いが叶った時と同じように、お寺でお炊き上げをしてもらいましょう。
その際に、新しいだるまを入手し、願いを込めるもの良さそうですね。
まとめ
だるまと日本人にはとても密接な関係があります。
いつの日にも、開かれた眼で、願い事をした瞬間から願い事が叶うまで私たちの生活を見守り続けてくれるだるま。
彼の優しい眼差しに報いるためにも、いつも感謝の気持ちを持ち、念願を想いながら毎日を暮らしていきたいですね!
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