クエンティン・タランティーノ監督が長編映画8作目となる作品『ヘイトフルエイト』
タランティーノ監督長編映画でR18になった作品は初めてではないでしょうか?
前作『ジャンゴ 繋がれざる者』がR15。そんなに差はなかったような気はしますが、中盤に男性のフルヌードがあったり所々観客席から「ウワッ」と言う方もチラホラいらっしゃいましたのでちょっとグロかったのかもしれません。
今回は話題作である『ヘイトフルエイト』についてネタバレ含め、ご紹介していきます!
『ヘイトフルエイト』のあらすじ
(画像引用元:ciatr.jp)
舞台は山の上のロッジ。
登場人物は、吹雪のロッジで足止めを食らい、一夜を共にすることになった。
人種も境遇もバラバラな、ワケあり7人の男と女1人。そこで起きる密室殺人。
一体誰が、なんの目的で?吹雪が作り出す密室で、疑心暗鬼で張り詰めた緊張をほぐすため、また互いを
探り合うため、他愛ない会話をかわす面々。やがてそれぞれの素性が明らかに
なり、偶然待ったかに見えた彼らの過去がつながり始めた。わかっていることは8人全員が嘘をついていることだけ!
犯人は?動機は?8人の本当の関係とは?
『ヘイトフルエイト』HPより引用
初めからネタバレしますが、このあらすじにも騙されました笑
ざっくり言えば、確かに密室殺人事件だし、嘘つきもいます。
ただ、そこまで嘘も重要ではないし、推理なども不要ですし、犯人が誰だなんてどうでも良い映画です。
いつものタランティーノ節炸裂な、楽しいブラック会話劇です。
もし、タランティーノ映画を一度も観たことがなく、あらすじを見て興味が沸いた方、ストップです。
シリアスでミステリーな映画ではございませんのでご注意を・・・。
ヘイトフルエイトの『予告編』にも騙された・・・
あらすじや予告編でも『8人』と強調していますが、実際は8人ではありませんでした。
騙されたと書いていますが、決して怒っているわけでもなく「してやられた~」とも思ってません。
先にも書きましたが、この作品には「嘘」と「犯人」はそんなに気にならず、ただ罵りあっている会話がたまらなく面白い映画です。
ただ、サミュエル・L・ジャクソン演じる賞金稼ぎの「マーキス・ウォーレン」が大切に持ち歩いていた『リンカーンの手紙』の話はとても印象に残る嘘でした。
その『リンカーンの手紙』の内容とは・・・
『親愛なるマーキス。
変わりなく元気でいてほしい。もう1日時間があればいいのだが、早く時は過ぎる。
君のような人間が、黒人たちが誇らしくなる歴史を作ってくれると信じている。
遠い未来、ともに手をつなごう。
君に会いたい。
メアリー・トッドが呼んでいる。床に着く時間だ』
この手紙がニセモノであると明らかになった時にマーキスが言ったセリフが、
『黒人が安全なのは、白人が丸腰な時だけだ。手紙は白人を信用させるために必要なんだ。お前にそれがわかるか?』
アメリカ史上最大にして最悪といわれている「南北戦争」
今回の作品では「南北戦争」がキーワードの1つになっています。
当時の黒人差別が色濃くでた言葉だと思いました。
紅一点『デイジー』役のジェニファー・ジェイソン・リーはトラウマ女優
(画像引用元:twitter.com)
タランティーノ作品に、まさかジェニファー・ジェイソン・リーが登場するとは夢にも思いませんでした。
私は、ジェニファー・ジェイソン・リーがとにかく怖い!笑
理由:その1
この作品はとても可愛い役(一般的には全然可愛いくないです!怖くて気味の悪い役です)なんですがその昔、彼女が出ていた映画「ヒッチャー」のジェニファー・ジェイソン・リーの殺され方がとても惨く、当時小学生だった私はまずトラウマ1。
理由:その2
彼女の父親は有名な俳優でした。名前は「ヴィック・モロー」
父親であるヴィック・モローは、映画撮影中に悲惨な事故に合い亡くなりました。
その亡くなった事故映像が、当時テレビ番組の衝撃映像集などでよく取り上げられていたんです。
その映像が忘れられずにいた私は、先に書いた「ヒッチャー」でトラウマになったジェニファー・ジェイソン・リーの父親だと知った瞬間、トラウマ2。
理由:その3
そして、私が思春期真っ只中に観た映画「ルームメイト」
ブリジット・フォンダ(ジャッキー・ブラウンにも出ていました)好きな友人に薦められて観たのですが、ルームメイトになったジェニファー・ジェイソン・リーが異常な性格を表し、ブリジット・フォンダを追い詰めていくストーリー。
あまりにも迫真過ぎる演技力と、既に蓄積されていた怖さが再び蘇り、トラウマ3。
今回の『ヘイトフルエイト』ではラッキーなことにトラウマ4にはなりませんでしたが(大人になってメンタル強くなった)
ジェニファー・ジェイソン・リーの演技力には本当圧倒されます。
『ヘイトフルエイト』の感想
タランティーノ監督作品で最高傑作だぁ~!!とは特に思わない映画でしたが、いつも通りの長くてボリューミーなセリフが楽しめる映画でした。
いい意味での『無駄』が多いタランティーノ作品。
彼の映画を観ると、ついつい過去作品の繋がりがどこかにないか探してしまうクセがございます。
今回は毎度お馴染みである架空のタバコ銘柄『レッド・アップル』も出てきましたし、「ミニーの紳士洋服店」の床に落ちていたグリーンのジャケットは『ジャンゴ』が着ていたっぽいものは見つけました。まだもしかしたらあるかもしれません。
ただ、後半に出ていた可愛い茶トラの猫ちゃんの消息が未だに気になります・・・。
【記事:ジョージ・A・ロメ子】
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