映画 家族のはなしのネタバレ感想。感動の要素は和牛から主題歌まで

鉄拳さんのパラパラ漫画が原作の「家族のはなし」の映画版を見てきたので、それについての感想を書いていこうと思います。

一言で言うと「心に染み込む感動」を得られる映画だったと思います。個人的にかなり好き。試写会や舞台挨拶からあの感動を共有できた人が羨ましいです。

音楽プロデューサー役を演じた和牛の水田さんもキャラにハマっている感じで良かったです。

いつもどおり思った感想を書き綴っていく記事なので、結果的にネタバレになるような記述があると思います。ネタバレNGな方はここでページを閉じて頂けますと幸いです。

映画 かぞくのはなしのネタバレ、感想

私は基本的に「家族もの」とか「動物もの」にめちゃくちゃ涙腺が緩いです。最近では旅猫リポートで思いっきり泣かされましたし。

家族のはなしは劇場で観るまで内容は知らなかったですが、以前鉄拳さんがパラパラ漫画として発表した「振り子」も号泣するほどツボだったんですね。

ですので、今回タイトルそのままの「家族のはなし」は100％泣くなと思ったので、タオル持参で劇場に足を運びました。

そして見終わった結果どうだったのか？というと・・・

泣きませんでした。

涙が外に零れ出るのではなくて、心の内側にスウッとビタミンとして染み込んで溶けていく感じ。

1日観て「感動したー！」で終わるエンターテインメント作品というよりは、一生心の中に入れて持ち歩いていきたい作品です。

映画 家族のはなしの麗しき既視感

映画になる前から、鉄拳さんの家族のはなしは話題になっていましたし、映画も概ね原作のパラパラ漫画を主軸にストーリーが展開していきますので、

あらすじネタバレの方はYouTubeに公式で上がっているパラパラ漫画の方に譲ります。

家族に黙って大学を中退し夢を追いかける若者と、田舎からそれを密かに応援する父と母のお話。

まあ、正直ベタです。ストーリーの内容もベタです。ただし、鉄拳さんならではの視点とパラパラ漫画という媒体も相まって、「よくある家族もの」に新たなエッセンスが加わっています。

話自体はよくある話なんだけど、何というか、何度観ても何度も観たい作品というか、麗しき既視感に魅せられる作品でした。

出演者の演技がとても良かった

正直、鉄拳さんのパラパラ漫画が実写になるのって難しいような気がしていたんです。

ダイナミックに展開するパラパラ漫画の絵を、どうやってリアルで再現するのか？と。（なので実写の「振り子」も今まであえて見送っていました）

それで蓋を空けてみたら、とても静かな、染み込むような映画に仕上がっていました。

たしかに実写化にあたってパラパラ漫画のダイナミズムをそのまま持ち込むと台無しになっちゃうかもだもんなぁ。静と動の塩梅が非常に良かったと思います。

この静かに展開しながら飽きさせない物語の展開は、俳優陣の力量によるところが大きいと思います。

今回、キャストが良かったです。主人公の岡田将生くんの演技もハマっていたし、お父さん役の時任三郎さんやお母さん役の財前直見さんも「さすがベテラン！」だったし、出演者が全員見事すぎる。

映画の家族のはなしでは原作のパラパラ漫画には登場しないヒロインも登場します。このヒロイン役は成海璃子さんが演じていたのですが、ストーリーを円滑に進める上で重要な橋渡し役を果たしてくれる名演でした！

観る前までは「芸人さんか。。どうなっちゃうんだろう？」とハラハラしてましたけど、音楽プロデューサー役を演じた和牛の水田さんも良い味だしてたなぁと思う。

全編とおして、すごく安心して見られました。

サイダーガールの主題歌「dialogue」も良かった

そして感動のラストを終えて、「良い映画だなー」「家に帰ったらパラパラ漫画もYouTubeとかで観てみたいな」と思っていたら

エンディングでスタッフロールと共に流れる、鉄拳さんが描いた「家族のはなし」の原作パラパラ漫画が。この演出はニクイ！

そこで流れるサイダーガールの主題歌である「dialogue」が妙にハマりました。まるでdialogueのプロモーションビデオとして、パラパラ漫画が機能しているような。。。

たぶん、主人公の年齢や視点に合わせて書かれた歌詞と曲だからこそ、バシッとハマるのでしょう。若者の悩みや葛藤、伝えられない気持ちや温かみが等身大で歌われている印象。

サイダーガールは今まで聴いたことなかったけど、ちょっと追ってみたくなりましたね。好き。

映画 家族のはなしの感想まとめ

いつか伝えられるなら [ 鉄拳 ]

家族のはなしには「ラスト20分で衝撃の展開！」とか「まさかのあの人物が真犯人！？」とかの衝撃的な展開はありません。淡々とストーリーが展開していく静かな映画です。感動のあまり涙を流すこともありません。

ただ、静かに、本来涙になって流れ出るはずのものが心のビタミンとなって内側に染み入る感じ。よくある話なんだけど、何度観た後でも何度も観たい麗しき既視感。それが映画 家族のはなしでした。

公開日からそんなに経ってないし、もう一回くらい観に行けるかな？行きたいな。