100日後に死ぬワニの最終回で電通案件だステマだと炎上したことが悲しい

Twitter上でとてつもない好評を得ていた漫画、「100日後に死ぬワニ」

この作品の最終回直後の多くのメディア展開を受けて、「電通案件だ」「ステルスマーケティングだ」と大炎上してしまいました。

今回の記事では「100日後に死ぬワニ」の結末についてや、その後の炎上騒ぎについて、個人的に思ったことをつらつらと書いていきたいと思います。

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100日後に死ぬワニの結末が掲載

どこにでもいるような普遍的な主人公や周囲の人物を動物の姿にし、その日常を淡々と描く。唯一、「この主人公が100日後に死んでしまう」事実を読者が知っていることを除いては。

そんな、風変わりな視点から味わうことのできる漫画「100日後に死ぬワニ」の結末が、3月20日のTwitter上にて掲載されました。

100日後(ワニくんの命日)のネタバレは概ねこんな感じです。

ワニくんの彼女、モグラくん、モグラくんの彼女、ネズミくんの4人で花見の準備をしている。まだワニくんはその場に来ていなくて、待ち合わせに遅刻している模様

ワニくんの到着が遅いことを心配に思った、親友のネズミくんがワニくんを迎えに行くことに。道中、桜吹雪が舞い散る様子をスマホカメラで撮影して、自分やワニくんも参加しているLINEグループに投稿

一方、ワニくんは、車に轢かれそうになっていたヒヨコを間一髪のタイミングで救出。代わりにワニくんは車にはねられてしまう。ネズミくんからのLINE投稿は読んでいて返信もしていた様子

連載開始から100日後、ワニくんは筋書き通りに命日を迎えてしまった。ラストは大ゴマでワニくんが命を落とした道路と、その周りの桜の木々、桜吹雪のシルエット

公約通りというか、100日後ワニくんは帰らぬ人となってしまうのでした。

分かっていたこととはいえ、ワニくんが死んでしまったことは大変悲しいですね。Twitterでも3月20日のトレンド世界一位となるなど、ワニくんへの注目が世界中から集まっていたことが伺えます。

100日後に死ぬワニが電通案件だと炎上

そんな感動のフィナーレを迎えたはずの「100日後に死ぬワニ」ですが、最終回を迎えた直後に「100日後に死ぬワニ 公式」アカウントが開設され、書籍化、映画化、グッズ発売、イベント開催などの相次ぐメディア展開を受けて、

「大手広告代理店の電通のバックアップがあるのではないか?」「最初から仕組まれたステマ漫画だったのではないか?」とTwitter上で大炎上が巻きおこってしまいます。

一時的にTwitterのトレンドにおいて「電通案件」が1位となったり、作品の内容自体の反響以上に大きな話題になってしまいました。

 

そんな思わぬところからの炎上騒ぎに対して、きくちゆうきさんと、テーマソング「生きる」を担当した「いきものがかり」の水野良樹さんが緊急の生配信をする事態に。

配信中、きくちさんは何度も「個人的に漫画を始めたことであり、(運営やプロデュースを行っている)ベイシカが作品のメディア展開を始めたのは(連載から約一ヶ月が経過した)1月以降であるにも関わらず、「電通案件」で裏が大きいとか言われるのはやっぱり悲しいです」と涙を流しながら訴えていました。

100日後に死ぬワニは作者のきくちゆうきさんの想いが沢山詰め込まれた作品

もともと「100日後に死ぬワニ」は作者のきくちゆうきさんは、ご自身が親友の方を亡くされた体験から着想を得て描かれた作品です。

先の緊急生配信の際にも「何があるか分からない中で、限りある時間を大切にしてほしいとのメッセージを伝えたい」ということで作られた作品ということ。

 

この真摯なコメントに対しても、Twitter上の一部の心のない人からは批判的な声が投げかけられました。

私はあの涙を見て、「他人の死を換金しておいて泣くだなんてどうかしてる」などと平気でツイートできるような側の人間でなくてよかったと思っています。

もしそれが事実だとしても、それを文字に起こして発言することでしか、自らを表現できないような品性が欠落している人に、私はかけらほどの魅力も感じませんから。汗

 

実際のところは、きくちゆうきさんが「100日後に死ぬワニを1日1話Twitterに投稿して、先日最終回の投稿を終えた」以外のことはご本人以外には分かりません。

個人的には、きくちゆうきさんが誠心誠意始めた作品作りに対して、勝手に広告代理店が金魚のフンのようにつきまとい、ワニくんをただの換金装置として利用しているだけだと感じています。

「100日後に死ぬワニ」という神聖な作品を汚し、ゾンビのように一人歩きさせるなんて、作者にとっても読者にとってもいい迷惑です。

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万が一、、いや千億が一、きくちさんのご友人の話のお話に嘘や盛りがあったとしても、連載が始まる何年も前から電通からのお達しがあったとしても、連載の当初からすでにグッズ化、アニメ化などの計画が進行していたとしても、

私が100日後に死ぬワニを読んで何を感じどう思ったか、は何も変わりませんし、最終回までを読んで素直に「いい話だったな」「自分も毎日ちゃんと生きよう」という気持ちもそのままです。

 

正直、私は電通という企業がとても嫌いなのですが、もし電通と関わりがあったとしても、きくちさんが「関わっていない」というなら「関わってないんだな」と素直に受け止めようと思いました。別にそれで私に損はないし。

「この人は私を裏切らないに違いない」というよりは、「この人になら裏切られてもかまわない」って感じです。言葉としては矛盾してますが、私にとって「信じる」って感覚はなんか後者に近いです。

それだけ、この作品は私の心の中に(いい意味での)爪痕を残してくれたように感じています。

 

で、きくちさんと水野さんの配信を受けての反応で、「せっかく100日目まで読んだのに作者に裏切られた」と言ってる人が意外と多くて、私はそれに驚きました。

「私にだって、どういう結末になるかは分からないけれど、いつか必ず死ぬ日がくる」

「人生の結末を迎えるその日に、後悔しないように毎日を一生懸命に生きよう」

この漫画を読むことで、沢山の人が沢山の想いを抱いたのだと思います。その尊い気持ちは、作品が商業化したり映像化することが決定した瞬間に嘘になってしまうのでしょうか?謎すぎます。

まとめ


「100日後に死ぬワニ」は、1人の一般的な男性(ワニ)が100日後に自らの人生に終わりが来ることを知らないままに淡々と日常を送る様子を、

読者がメタ的な視点から「ああ、、でもあと◯日でワニは死んでしまうんだよな」と、スリリングに見守ることで成立する作品です。

「死」という、誰にだってやがて訪れる平等な出来事について考え、思いを巡らることで、読み手もいつしか登場人物の1人としてワニと共に生きている感覚になれる。それこそがこの作品の最大の魅力だと思っています。

 

今回、作者のきくちゆうきさんは、電通にハメられたとしか思えないようなマーケティングに巻き込まれていて、そのことは大変残念&電通という企業が心底憎らしかったりするのですが、

それでも、私がワニくんと共に生きたこれまでの100日の間に感じたこと、思い描いたことに嘘は一切なかったのだと思います。

 

とても素敵な作品ですし、作品に罪はありません。

私は、今回の作品に電通が絡んでいようが絡んでいまいが、「100日後に死ぬワニ」の単行本を購入し何度も読み返すことになるでしょう。

それは、電通がどうとか関係なく、この作品に純粋に想い入れがあるためです。

 

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