桃の節句に甘酒を飲む理由と由来 白酒や桃花酒との違いとは?

3月3日は桃の節句。ひな祭りです。

ひな祭りのお祝いに欠かせないものといえば、雛人形と雛あられと菱餅と、、、そして何と言っても甘酒ですよね?

けれどもよく考えてみたら、桃の節句に甘酒を飲むのはなぜなのでしょう?また、甘酒や桃花酒(とうかしゅ)との違いは何なのでしょうか?

今回の記事では、桃の節句に甘酒を飲む理由と由来。そして白酒や桃花酒との違いについて書いていきたいと思います。

Sponsored Link

桃の節句に甘酒を飲むのはなぜ?理由と由来

ひな祭りに飲む飲み物の代表である甘酒。甘酒自体の歴史は非常に古く、その起源を辿れば古墳時代にまでさかのぼることができると言われています。

奈良時代に誕生した日本の歴史書である「日本書紀」にも、甘酒の起源でもある天甜酒(あまのたむざけ)に関する記述があるほどです。

この歴史のある甘酒が、桃の節句の主役ドリンクになったのはなぜなのでしょうか?

 

ひな祭りの起源は、中国の「上巳(じょうし)の節句」にあります。

上巳の節句の日である3月3日に、水辺で身体を清めて穢れ(けがれ)を払う厄除けの習慣が奈良時代に日本に伝わり、

当時の貴族階級の女の子たちの間で流行していた「ひいな遊び」と融合されたのが「雛祭り」の始まりです。

そういう背景を知るだけでも、ひな祭りに甘酒を飲むことで、何らかの形で厄除けの効果を果たしてくれるから飲むのだろうな?と想像が付きますね。

 

甘酒には、「邪気を払って病気を退け、そして長寿になれる」という言い伝えがあります。

そしてその言い伝えを裏付けるように、甘酒にはビタミンB群や食物繊維、腸内細菌のエサにもなるオリゴ糖が豊富に含まれています。その他にもミネラルや酵素も多数含まれていて栄養満点なのです。

冬には寒さを防ぎ身体を温める効能を、夏にはスタミナ回復と滋養強壮をもたらしてくれることから、甘酒は「日本最古の栄養ドリンク」や「飲む点滴」などという別名まで付いているくらいなんですね。

 

古墳時代には、「ビタミンが〜」とか「ミネラルが〜」といった栄養成分については詳しく知られていなかったと思いますが、効能そのものは当時から変わりません。

昔は健康に害があると「邪や穢れが入った」と考えられていましたし、女の子の身体を清めて邪や穢れを払うことが本来の目的なひな祭りに甘酒が採用されるようになったのは必然なのかもしれませんね♪

桃の節句に子供が飲む甘酒と白酒の違い

何となく「甘酒=白酒」とイコールで結びつけたくなる、2つのひな祭りの飲み物ですが、甘酒と白酒は実は全くの別物です。

甘酒と白酒の最も大きな違いは、アルコールが入っているかいないか?でしょう。

 

白酒にはアルコールが10%ほど含まれています。ビールよりも度数の強い、れっきとした「お酒」です。

甘酒にアルコールが全く入っていないわけではないですが、割合は1%未満とほとんど入っていません。子供が飲んでも問題がないレベルです。

ですから、「白酒=大人が飲むもの」「甘酒=子供が飲むもの」と乱暴に分けることもできますね。

 

また、甘酒と白酒は原材料や作り方にもかなりの違いがあります。

甘酒は、ご飯やおかゆなどに米こうじを混ぜて保温し、米のデンプンを糖化させたものです。熟成の工程がないのでアルコールも超微量にしかなりません。

白酒は、みりんや焼酎などに蒸したもち米や米こうじを仕込み、1ヶ月程度熟成させたもろみを、軽くすりつぶすことで造られるお酒です。

Sponsored Link

もちろん、ひな祭りの主役である女の子にお酒を飲ませることは、法律云々以前に、女の子の身体にとって悪影響なのは言うまでもありません。

「女の子の健康と幸せを願う」ことが目的のひな祭りが本末転倒になってしまいますので、とくにネットで注文する際などは甘酒と白酒を間違えて購入などしないように注意するようにしましょう。

桃の節句のに飲む桃花酒(とうかしゅ)とは?甘酒との違いは?

桃花酒(とうかしゅ)とは、刻んだ桃の花を浮かべたお酒。また、桃フレーバーを加えたお酒のことです。桃の節句に、子供たちの健やかな成長やを祈って飲むものとされています。

と言っても、桃花酒も白酒と同じくアルコールが含まれた「お酒」ですので、もちろん子供に直接飲ませるわけにはいきませんが・・・。

 

「桃」は古くから邪気を払い強い生命力をもたらす花とされていました。また、桃には「百歳(ももとせ)」に通じることから、ひな祭りの飲み物として重宝されてきました。

(桃の節句の名前の由来も、桃の縁起が良い語源によるものでしょう)

 

もともとは、桃の節句には白酒ではなく桃花酒が飲まれていました。江戸時代には桃の節句の行事が庶民にも伝わるようになって、白酒を飲むように変わってきたのですね。

お子さんが成人を迎えた、初めてのひな祭りに、親子揃って桃花酒を飲むのも趣があってとても素敵ですね♪

桃の節句と甘酒についてのまとめ

いかがだったでしょうか?

桃の節句で口にする食べ物の全てには「女の子の幸せと健康を願う」気持ちが根底に流れています。それは甘酒にも共通して言えることだったんですね。

子供は甘酒を、大人は白酒か桃花酒を飲んで、健康で元気な春を家族みんなで楽しく過ごしていきたいですね☆

 

関連記事↓

ひな祭りの準備はいつから?桃の節句の前日に雛人形を飾るのがダメな理由

Sponsored Link

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)