ひな祭りで食べる菱餅。ピンク、白、緑という桃の節句のシンボルカラーがあしらわれたカラフルな和菓子で、ひな祭りの定番ですよね。
作り方は簡単なのに、その味わい深さは思わず息を呑んでしまうほどです。
ところで、菱餅の色やその順番に意味や由来ってあるのでしょうか？また、なぜひし形なのでしょう？
今回の記事では、子供向けに簡単に教えられるくらいに、菱餅について分かりやすく説明していきたいと思います♪
菱餅の色の意味を子供に説明する前におさらい
以前の記事でも簡単にご説明させて頂いたとおり、ひな祭りに登場する食べ物には全て意味や由来があります。
たとえば、ちらし寿司には、長寿の象徴であるエビや、穴が空いているので将来の見通せるとされるレンコンなど、縁起が良い由来の食材がたくさん含まれています。
はまぐりのお吸い物をひな祭りに飲むのも、はまぐりは対のお皿以外の貝殻とはピッタリとくっつきません。そのため、一人の相手と永遠に仲良く暮らしていけるという、縁結びに縁起が良いとされています。
こんなふうに、ちらし寿司にも、はまぐりのお吸い物にも、雛あられにも、甘酒にも、、、ひな祭りに食べるものには全て、「女の子が健康で幸せに過ごせるように」という願いが込められているのです。
そして、もちろんそれは菱餅も例外ではありません。
菱餅の色の由来を子供向けに簡単に教えるなら
菱餅そのものの登場は、江戸時代の初期にはありました。縁起が良い食べ物を用いるような場面や、おめでたい行事では進んで食べられていたんですね。ただし、当初の菱餅は紅白の2色だったと言われています。
菱餅の色がひな祭りのシンボルカラー3色へと増えていったのは江戸時代後期のこと。明治時代に入った頃には、現在のようなピンク、白、緑の菱餅が桃の節句で食べられることが基本になってきました。
菱餅のそれぞれの色の意味は下記のとおりです。
赤（ピンク）＝桃の花を表すシンボルカラー。解毒作用がある山梔子の実で赤味を付けられていることにちなんで、厄祓いや魔除けという意味があります。
白＝雪を表すシンボルカラー。春の残雪が大地をきれいに洗い流してくれる様子がイメージされることから、清浄や長寿という意味があります。
緑＝新芽を表すシンボルカラー。増血効果がある蓬（ヨモギ）で着色されることにちなんで、萌える若草が転じて長寿や健康という意味があります。
また、菱餅の色の順番にも意味があって、一般的には上からピンク→白→緑の順番で配色されるものが通常です。
色の順番の意味は、「雪の下に新芽が芽吹き、雪が溶け出したその上に桃の花が咲いている」という春の情景をイメージしたものになります。
日本人らしい繊細で美しい感性が菱餅の色の順番にもあらわれていて、何とも風情があると思いませんか？
ここまでご説明した内容を子供向けに説明するなら、
「赤は桃の花の色でとても強い色なの。悪いものをやっつけてくれるんだよ」
「白は雪みたいできれいだよね？この白が◯◯ちゃんのこともきれいにしてくれるの」
「緑は草や葉っぱが春にグングン育つみたいに、食べた人を元気にしてくれるんだよ」
このように要点のみを簡潔に説明してあげましょう。
子供にとって長々とした説明は苦行です。この記事で書いたような「そもそも菱餅とは〜」のくだりは、ばっさりカットしまって良いと思います。笑
菱餅はなぜひし形なの？意味や理由はあるの？
また、菱餅はその名のとおり「ひし形」に作られています。
ひし形である意味や由来は諸説ありますが、桃の花と雪、そして芽吹く新芽たちが住まう「大地」をあらわしているという説が最も有力です。
他にも、
・無病息災や健康成就に良いとされる植物で着色されていることから、心臓をあらわしている
・そもそも民俗学では菱餅の形が心臓をかたどったものである
・菱（ひし）の繁殖力の高さにちなんで子孫繁栄の願いが込められている
・菱の実を食べた仙人が1000年も長生きした伝説があるので、それに由来してひし形になった
などの説が菱餅のひし形にはあります。
けれども、子供に説明する際は、分かりやすさを優先して「ひし形は大地（地球）をあらわしている」と最も有力な説をシンプルに教えてあげた方が良いと思います。
まとめ
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いかがだったでしょうか？
菱餅の色の意味はもちろん、色の順番や形にまで意味や由来があるというのは、日本人の感性の奥深さを感じられて何だか素敵ですね。
今年の桃の節句も、菱餅とひなあられ、はまぐりにちらし寿司・・・縁起が良いたくさんの食べ物と共に、楽しいひな祭りをお過ごしください♪
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