「ママ、どうしてひな祭りには雛人形を飾るの?」
「三段目の楽器を持ってるお人形さんはなんの人なの?」
もし、お子さんにそう訊かれたら、あなたはどう答えて挙げますか?
今回の記事では、雛人形の意味や由来、歴史。それを子供向けに分かりやすく説明するためのポイントについて書いていきたいと思います。
桃の節句のアイドル、雛人形の意味を知ったら今まで以上に愛してあげられるようになると思いますよ♪
雛人形の意味や由来を子供向けに分かりやすく教えよう!
まずは、大人向けの(?)雛人形のそもそもの意味や由来を解説させて頂きます。その方が、それを噛み砕くことで子供向けに簡単に伝えやすくなると思いますので。
雛人形の歴史はずっと古くからあって、実はいつ頃から始まった行事なのかがはっきりしていません。始まりの時期については諸説あるのですが、奈良時代にはすでに雛人形の原型は出来上がっていたようです。
雛人形の由来を辿ると、もともとは中国にあった「上巳(じょうし)の節句」までさかのぼることになります。中国では3月3日に水辺で身体を清めて穢れ(けがれ)を払う厄除けの習慣があったのです。
この上巳の節句の風習が日本に伝わり、独自の進化を遂げたのがそもそもの雛人形の始まりと言われています。紙でできた人形(ひとがた)に厄を移し、それを川に流すことで人は災いを退けていたんですね。
このことは奈良時代の記録に史実として残されています。
また、奈良時代の貴族階級の女の子の間では、人形を使ったままごと遊びをすることが流行りでした。いつの時代も女の子の遊びは女の子らしいですね。
このままごと遊びは「ひいな遊び」と呼ばれていて、前述した上巳の節句の風習とひいな遊びがミックスされたものが雛人形の由来です。昔は雛人形を飾るのではなく川に流していたんですね。
(ちなみに「ひいな」には「大きなものを小さくする」や「可愛らしいもの」という意味があります。小さくて可愛らしい、まさに雛人形にぴったりのことばですね♪)
それが江戸時代になると、人形作りは本格化します。技術が発達し腕のある人形職人がたくさん現れるようになったのです。
きらびやかで豪華で繊細な雛人形がいくつも誕生し、「こんな素晴らしい人形なのだから、川に流すのではなく飾りたい!」と雛人形はお家に飾られるようになったのです。
そして雛人形は、厄災を変わりに引き受けてくれることが転じて、「女の子の幸せや健康、そして縁結びを願う日」という意味合いが強くなっていくのでした。
こうして江戸時代に雛人形が今の形になった頃、それまでは3月上旬と曖昧だった上巳の節句の日が「桃の節句」として3月3日と正式に決定されます。そして、3月3日を女の子の日、5月5日を男の子の日(=こどもの日)と定めたんですね。
かなり長く書いてしまいましたが笑、ここまでの話しを子供に分かりやすく伝えるなら、
「雛人形は、ずっと昔から女の子たちを守ってくれた優しくて強い人形なんだよ」と要点だけを簡潔に伝えるのが良いと思います。
雛人形のお雛様やお内裏様や五人囃子など人形の意味は?
江戸時代から現在まで、変わらない雛人形のそれぞれの人形の種類や配置。これにはもちろん意味があります。
一段目 内裏雛(だいりびな)
天皇皇后の姿に似せた男女一対の人形。それが内裏雛です「♪お内裏様とお雛様」というひなまつりの歌でお馴染みのお内裏様ですが、実は男性をお内裏様と呼ぶのは誤りで、本来は男性と女性のワンセットでお内裏様です。
正しくは男雛様(おびなさま)と女雛様(めびなさま)。天皇陛下と皇后陛下がモデルになっています。この二人の結婚式というのが、雛人形の舞台、設定です。言わずとしれた雛人形の主役的存在ですね!
二段目 三人官女(さんにんかんじょ)
雛人形の二段目にいる女性の三人組が三人官女です。内裏雛の先に立って食事や衣装のお世話をする心優しい付き人さんです。雛人形でも二人の結婚式をテキパキとサポートしています。
ちなみに真ん中の女性は歯が黒いです。江戸時代にはすでに結婚している女性はお歯黒を施す風習がありましたから、真ん中の女性は既婚者ということになりますね。
こういう細かな部分も繊細に表現するのが日本人形の素晴らしいところだと思います♪
三段目 五人囃子(ごにんばやし)
三人官女の下にいる五人の男女が五人囃子。内裏雛の結婚式を楽しい音楽で盛り上げてくれる音楽隊です。向かって謡(うたい)、笛、小鼓(こつづみ)、大鼓(おおかわ)、太鼓(たいこ)の順に並べるのが一般的です。見ているだけで賑やかで楽しい気分になれそうです。
楽器を携えている他にも、五人囃子の人形は童顔に作られているのが特徴です。愛らしい顔と表情に、子供もより一層親近感を感じるかもしれませんね♪
四段目 随身(ずいじん)
ひな祭りの歌に登場する右大臣と左大臣。この二人を併せて随身と呼びます。大臣というくらいなので本当は身分が高く偉い人たちなのですが、結婚式という場に合わせて下の段にいます。
随身は内裏雛のボディーガードを務めていて、左大臣は力持ち、右大臣は賢いのです。力と知恵を互いに出し合って内裏雛を守ってくれているんですね。構えた弓矢がとても心強く頼もしいです!
五段目 仕丁(しちょう)
怒ったり泣いたり笑ったり、とても感情表現が豊かな三人組が仕丁。身分の高い人のもとで雑用として無報酬で働いたとされるがんばりやさんたちです。
内裏雛の元で仕事をすることは、怒ったり泣いたり大変なことも色々ありますが、そのなかでも笑顔が溢れるような嬉しいこともあった。そんな当時のストーリーをこの仕丁から感じ取ることができそうですね♪
また、仕丁の表情がこれほどまでに豊かなのは、子供が表情豊かに育ちますようにという願いも込められているのです。
六段目・七段目 調度品
そして、仕丁より下の段は牛舎(ぎゅうしゃ)やたんすなどの調達品がずらりと並びます。これは女雛様が結婚する際に持っていく嫁入り道具になるんですね。
一番上から一番下まで、繊細に表情豊かに作られている雛人形。意味を知るとなおさら愛おしく感じてきませんか?
雛人形の意味や由来を子供に説明するときのポイント
・雛人形はもともと、子供の身代わりになって嫌なことから守って、幸せを願ってくれるもの
・雛人形の舞台設定は、王様とお姫様のカップルの結婚式
・その下にいる人達は、お世話係と音楽隊、ボディーガードや召使いがいる
・こんな賑やかな結婚式の様子みたいに、子供にも幸せになって欲しい
この4点を簡単な言葉で伝えるのが、雛人形の意味や由来を子供に説明するときのポイントになります。
まとめ
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奈良時代にはすでに原型があり、江戸時代になる頃には現在の形になっていた雛人形。その長い歴史の中で、いつも女の子たちの幸せを見守ってくれていたんですね。
あなたのお子さんの幸せを、雛人形は陰ながら見守ってくれています。
これからも、雛人形のパワーを借りて、きっと元気に素敵に育ってくれることでしょう♪
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